小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

塩田武士

薄く紅を引いた唇

塩田武士さんの罪の声より 前に座る美津子は薄く紅を引いた唇を噛むと、記憶を掘り起こすように目を閉じた。

髪が残っている側頭部

塩田武士さんの罪の声より 髪が残っている側頭部をかいた。

少しずつ消費する若さ

塩田武士さんの罪の声より 本来少しずつ消費される若さを、早送りして失ったように見える。

沈没船から逃げるネズミのように

塩田武士さんの罪のより 解散の声がかかると、沈没船から逃げるネズミのように会議室から記者が捌けていく。

油性のサインペンで書きつけられたように

塩田武士さんの罪の声より 油性のサインペンで書きつけられたように罪悪感が消えない。そして何かの拍子に思い起こしては、自らを正当化しようとする気持ちが、胸の内でジタバタするのだ。

カラスは俊也を一瞥すると

塩田武士さんの罪の声より 視線を上げると、カラスが一羽、瓦屋根に止まっていた。カラスは俊也を一瞥すると、邪魔だと言わんばかりにしわがれた声で鳴いた。

額に玉の汗を浮かべる立花はネクタイの目を解き

塩田武士さんの罪の声より 額に玉の汗を浮かべる立花はネクタイの目を解き、焼酎のお替りを注文した。

唇が凍ったように

塩田武士さんの罪の声より 唇が凍ったように動かなかった。