小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

深い穴の底から聞こえてくるような

「ーーわかったよ」 やがて、S君が言った。深い穴の底から聞こえてくるような、暗い、無感情な声だった。 「嘘をつくのは、もうやめるよ」 向日葵の咲かない夏posted with ヨメレバ道尾秀介 新潮社 2008年08月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7net ebookja…

不安の色が隠れている

「どこ行くのさ、ミチオ君」 その声に不安の色が隠れているのを、僕はたしかに聞き取った。 向日葵の咲かない夏posted with ヨメレバ道尾秀介 新潮社 2008年08月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7net ebookjapan

くぐもった声

森沢明夫さんの水曜日の手紙より マスクの下から「はい」というくぐもった声がいくつか聞こえてきた。 水曜日の手紙posted with ヨメレバ森沢 明夫 KADOKAWA 2018年12月07日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan

高い天井に吸い込まれて消えた。

森沢明夫さんの水曜日の手紙より なるほど「孤食」とはよく言ったものだ。 里穂を東京に出したら、毎晩、自分はこんな気分で食事をとることになるのかーー。 私はスプーンを置いて、立ち上がった。 そして、冷蔵庫から缶ビールを持ってきて、缶のままごくご…

振り下ろされる鞭のような声

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「佐和さん」 呼んだ瞬間、振り下ろされる鞭のような声が多紀の体をすくませた。 「あんたらが佐和って呼びな!」 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7net…

清遠がめくる新聞の音、点(つ)けてあるテレビの音に紛れる程度の小声

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「かわいいだろ」 佐和に届かない程度ーー清遠がめくる新聞の音、点(つ)けてあるテレビの音に紛れる程度の小声に、掛水のほうが動揺した。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス…

眠たげに嗄(か)れた男の声

有川浩さんの県庁おもてなし課より 掛水はその番号に電話を掛けた。 数回のコールの後、電話に出たのは眠たげに嗄(か)れた男の声だった。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

喉の奥にひっかかったような声だった。

小杉健治さんの父からの手紙 出所したばかりの人間が訪問すれば金の工面に来たのかと勘繰られるかもしれない。そう覚悟しながら、クリーニング店を訪れた。声をかけたが、喉の奥にひっかかったような声だった。奥から出て来た長兄は圭一の顔をじっと見つめ、…

その声は、まるでエコーでもかかったかのように……

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 その声は、まるでエコーでもかかったかのように、繰り返しわんわんと響きながら権田に押し迫ってきた。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 楽天ブックス楽天koboAmazo…

カナリアのような声

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 カオリちゃんがくすっと笑う。そして、カナリアのような声で答えたのだ。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan

声が裏返った。その音階をどうにか逆にして

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 「では明日の午後にでもお邪魔できますか?」 はい、と答えた声が裏返った。その音階をどうにか逆に返して、空井は「お待ちしてます」と名残惜しく電話を終えた。

「声」

夏美のホタル 森沢明夫ざらっとした声に、凄みが加わった。ミーコの宝箱 森沢明夫 「おい、どこへーー」 背中にかけた私の声は、すぐに柱時計の音にかき消された。女神のタクト 塩田武士「総力戦ですよ」 大変だと言いながら、松浦の言葉は弾んでいた。罪の…