小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

孤独

時間が止まったように冷え込んだ。

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 コチ、コチ、コチ……。 壁掛け時計の秒針の音が響き渡っているのに、リビングのなかはむしろ時間が止まったように冷え込んだ。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 楽天…

「笑顔」のまま固まっていた頬の筋肉も、……

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 「あ、ええと」 「なに?」 「いや……。トレーニングの後のビールは最高なんだよな」 「それだけ?」 「うん」 「じゃあ」 「うん、ありがとね。おやすみ」 後ろ手にリビングのドアを閉める由佳の痩せた背中を見詰めた…

四文字の単語は薄暗い廊下に吸い込まれて消えた。

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 玄関のなかに入る。廊下の突き当たりのガラス扉を見ると、まだリビングの灯りはついていた。 靴を脱ぎながら、その灯りに向かって声をかける。 「ただいま」 四文字の単語は、薄暗い廊下に吸い込まれて消えた。 妻の…

ぽつんと道端に捨て置かれたようなその自販機に、……

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 遠く工場の敷地を囲う鉄柵の脇に、煌々と光る自販機を見つけた。ぽつんと道端に捨て置かれたようなその自販機に、わけもなく親近感を感じて、四海は車を止めた。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森…