小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

感情

怒りの感情が花火のように

胸の中で、怒りの感情が花火のように一気に噴き出すのを感じた。視界がカッと白くなり、咽喉の奥に熱いものが込み上げた。 向日葵の咲かない夏posted with ヨメレバ道尾秀介 新潮社 2008年08月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7net ebookjapan

ちりちりと火花を散らしていたのだ。

S君に対する怒りは、いろいろな形で、これまで僕の胸の奥底でちりちりと火花を散らしていたのだ。 向日葵の咲かない夏posted with ヨメレバ道尾秀介 新潮社 2008年08月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7net ebookjapan

頭を満たす混乱が、だんだんといびつなかたちをとっていく

頭を満たす混乱が、だんだんと、いびつなかたちをとっていくのを、僕は感じていた。 そのいびつなものに、身体を、口を、勝手に動かされているようだった。 「僕は邪魔みたいだから、ここにいないほうがいいね」 向日葵の咲かない夏posted with ヨメレバ道尾…

心が石のように冷たくなっていた。

森沢明夫さんの水曜日の手紙より わたし、どんだけ毒にまみれた人生を過ごしているんだろう? 考えたら、心が石のように冷たくなっていた。 水曜日の手紙posted with ヨメレバ森沢 明夫 KADOKAWA 2018年12月07日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto …

黒い靄(もや)を吐き出すように

森沢明夫さんの水曜日の手紙より わたしは胃のあたりに生じた黒い靄(もや)を吐き出すように口を開いた。 水曜日の手紙posted with ヨメレバ森沢 明夫 KADOKAWA 2018年12月07日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan

根深く染み付いた不安が、黒いエネルギーの核となって、……

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 根深く染み付いた不安が、黒いエネルギーの核となって、権田の思考をネガティブな方向へと引きずり込んでいく。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 楽天ブックス楽天k…

内側からあふれ出す黒い感情

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 四海のなかにいる、もう一人の自分は、たしかに罪悪感に苛(さいな)まれていた。しかし同時に、意思とは無関係に、内側からあふれ出す黒い感情を抑え切れない自分もいたのだ。 大事なことほど小声でささやくposted wit…

あの灯台の灯りさえもしぼんで消えてしまった。

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 明るかったはずの由佳の表情から、血の気が失せていくのが分かった。瞳の奥に優しく灯っていた、あの灯台の灯りさえもしぼんで消えてしまった。やがて焦点が曖昧になった由佳の両目から、ぽろりぽろりとしずくがこぼ…

胸に沈殿している憂鬱も、……

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 ベンツは音もなく加速し、四海の背中をバックシートに押し付けていく。左右の風景がビュンビュンと後方へ飛んでいくと、四海の胸に沈殿している憂鬱も、少しずつ振り落とされていく気がした。 大事なことほど小声でさ…

俊介の内側には黒い熱が生じ

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 「わあ、すごい腕の筋肉ですね」 直球で褒める恵那に気をよくする単純な男たちのマヌケ面をチラッと見るだけで、俊介の内側には黒い熱が生じ、それを発散させたくて、つい、いつもより余計にダンベルを上げてしまう。…

目が貼り付いたまま

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 完全に手が止まり、固まった。こんな文字列はこれ以上一秒たりとも見たくないのに、そこに目か貼りついたまま離れない。ページをめくることもできない。

一拍遅れて

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 次の機会を許されたことに一拍遅れて気がついた。 ーーまるで天に昇るような心地になった。

眦(まなじり)を釣り上げる

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 片山が訊くと空井はキッと眦(まなじり)を釣り上げた。「バカにしないでください」とこんなときばかりはパイロットの顔に戻る。

声が尖った

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 「気をつけるって言ってるだろ!」 抑えられず声が尖った。いつまでも比嘉の助けがないと何もできないと言われているようで無性に腹が立った。

デスクを叩く

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 鷺坂(さぎさか)が指先でデスクを叩いた。中指一本で叩いた音だが、拳で机を殴ったより鋭く片山の耳朶(じだ)を打った。首が勝手にすくむ。

眉間に描き込んだような見事なシワ

空飛ぶ広報室 有川浩より 本当に怒っているときは眉間に描き込んだような見事なシワが二本立つ。やや後退気味の額は血色良くつるりとしているので、縦に刻まれる二本がやけに目立つ。 たった二本のシワだが片山を打ちのめすには充分だった。

脳細胞が沸騰した

空飛ぶ広報室 有川浩より ーー脳に言葉の意味が届くまで時間がかかった気がする。 届いた、と同時に脳細胞が沸騰した。 人殺しのための機械でしょう? ーー人殺しの機械に乗りたい人なんでしょう? ーー何で俺たちがこんなこと言われなきゃならない、人を殺…

感情 「驚き」

小説の表現、描写 「驚き」再会 小杉健治 狩野川は心臓を激しく叩かれたような衝撃を受けた。 共犯者 小杉健治 瞼が痙攣したかのように瞬きを何度かした。

感情 「恋愛」

小説の表現、描写 「恋愛」ヒカルの卵 森沢明夫 わたしの感情は、いつの間にか干上がった田んぼみたいにひび割れていて、もう恋愛を出来るような潤いは一滴も残されていなかったのだ。 友罪 薬丸岳 人波にまぎれてこちらに向かってくる鈴木の姿が見えた。 美…

感情 「苦しみ」

小説の表現、描写 「苦しみ」友罪 薬丸岳 鈴木と楽しそうに接している彼らを見ていると、胸の中に鉛を詰め込まれたような息苦しさに襲われるのだ。たまちゃんのおつかい便 森沢明夫 胃の奥から食道のあたりにかけて、嫌な熱がこみ上げてきた。刑事のまなざし…

感情 「鎮める」

小説の表現、描写 「鎮める」歪んだ蝸牛 田中経一 凜は自分の感情を鎮めるように、咀嚼を続けた。対決から社交へとスイッチを切り替えようとしているように見える。 刑事のまなざし 薬丸岳 「今住んでらっしゃる場所を教えていただけますか」 夏目がメモ帳を…

感情 「冷める」

小説の表現、描写 「冷める」歪んだ蝸牛 田中経一 伊達の口からゆっくりと吐き出される煙を見つめながら、板橋の心はますます乾いていった。

感情 「安心」「安堵」

小説の表現、描写 「安心」「安堵」共犯者 小杉健治 警察の追及をかわせたという安堵感が温泉の湯の中で実感された。

感情 「緊張」

小説の表現、描写 「緊張」友罪 薬丸岳 鼓動がせわしなくなるのを感じながら喫茶店に向かった。 キッチン風見鶏 森沢明夫 ぼくの心臓は確実に一拍スキップをしていた。 夏美のホタル 森沢明夫 ぼくの心臓は二拍か三拍くらいスキップしてしまった。 罪の声 塩…

感情 「興奮する」

小説の表現、描写 「興奮する」友罪 薬丸岳 あの頃の出来事が堰(せき)を切ったように脳裏にあふれだしている。 歪んだ蝸牛 田中経一 小野は小さく頷いた。涼子は釣糸の先にある浮きがピクンと動いたような興奮を覚えた。

感情 「落胆」

感情 「嫌う」

小説の表現、描写 「嫌う」クライマーズ・ハイ 横山秀夫「あんな奴と付き合わんほうがいいぞ」 追村が低い声で言った。目元で小さな癇癪玉を破裂させている。

感情 「好き」

感情 「妬み」

小説の表現、描写 「妬み」夏美のホタル 森沢明夫 学食で受賞した写真雑誌のページを自慢げに見せびらかす友人たちを妬み、そして妬んだ気持ちの量だけ、自分の内側に汚れたフィルターがかかっていくのを感じていた。

感情 「恐怖」「不安」

小説の表現、描写 「恐怖」「不安」クライマーズ・ハイ 横山秀夫 父は蒸発したのだと酒臭い母の懐で聞かされた。蒸発という言葉がひどく恐ろしいものに感じられた。呑み込むことも消化することも出来ず、それは漠然とした不安として胸に巣食った。十角館の殺…