小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

有川浩

弱気が反射のように呟かせた。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「俺ら、作れるでしょうか」 弱気が反射のように呟かせた。吉門は突っ放さなかった。 「自信持っていいんじゃないの? レジャーランド高知県とか高知県公式ガイドブックっていうフレーズはシンプルで強いと思うよ」 県庁お…

三種混合で沸騰した。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 疚(やま)しさと後ろめたさと罪悪感が三種混合で沸騰した。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

漏れた呟きを波の音がさらった。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「腰抜けもえいところやにゃあ……」 漏れた呟きを波の音がさらった。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

沈黙が物理的な圧迫感を持ったかのように

有川浩さんの県庁おもてなし課より 沈黙が物理的な圧迫感を持ったかのように迫り、ますます声を出すのを憚(はばか)らせる。誰も彼もが必要最低限の言葉しか喋らない。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天kobo…

敵を決めあぐねるように

有川浩さんの県庁おもてなし課より 獰猛な瞳が敵を決めあぐねるように部屋中の人間を睨む。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

振り下ろされる鞭のような声

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「佐和さん」 呼んだ瞬間、振り下ろされる鞭のような声が多紀の体をすくませた。 「あんたらが佐和って呼びな!」 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7net…

バネがちぎれて飛んだように

有川浩さんの県庁おもてなし課より 固まったように動けない一同の中、バネがちぎれて飛んだように多紀が部屋を飛び出した。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

重たい石を抱かされたような沈黙

有川浩さんの県庁おもてなし課より 重たい石を抱かされたような沈黙が長く続いた。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

右の目元が痙攣している。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 下元の右の目元が痙攣している。ーー下元も怒っていた。沸騰した部下に負けず劣らず、既に怒っていた。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

多紀は余韻を聞くように一呼吸空けて、

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「明神さん」 「何ですか?」 「俺ら、これからも宿題いっぱいあると思うけど、頑張ろうな」 多紀は余韻を聞くように一呼吸空けて、それから「はい」と力強く答えた。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書…

清遠がめくる新聞の音、点(つ)けてあるテレビの音に紛れる程度の小声

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「かわいいだろ」 佐和に届かない程度ーー清遠がめくる新聞の音、点(つ)けてあるテレビの音に紛れる程度の小声に、掛水のほうが動揺した。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス…

汁椀を並べていた佐和の肩が跳ねた。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 居間に戻ってきた清遠は食卓を見て「ほお」と声を上げた。 「ずいぶん豪勢やないか」 皿鉢が二枚出て、それぞれに刺身と鯖寿司が盛られている。 汁椀を並べていた佐和の肩が跳ねた。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ…

多紀の肩が飛び上がる。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「明神さんも行っちょくかえ」 多紀の肩が飛び上がる。 「あ、あの……私はまた次の機会に……」 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

突然目隠しを外されたかのような

有川浩さんの県庁おもてなし課より 高知は、俺たちは、こんなものを持っていたのだ。 それは突然目隠しを外されたかのようなーー圧倒的な発見だった。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7ne…

喜色を閃かせて

有川浩さんの県庁おもてなし課より 宇野と呼ばれたパイロットが喜色を閃かせて掛水に目線を上げる。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

胸に錐(きり)が刺さったようになる。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 喬介が荷造りするたびに、家をあけるたびに胸に錐(きり)が刺さったようになる。 喬介が家にいる日々はいつか終わるのだと。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonK…

吉門の苦笑が重なる。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「でも、そんな言い方……」 思わず反芻した多紀に、吉門の苦笑が重なる。 「勘弁してやって、佐和は口が裂けても県庁の奴を『優しい』とか『お人好し』とか言いたくないんだ。だから表現が複雑骨折する」 県庁おもてなし課p…

潮の細かな粒子を含んだ風

有川浩さんの県庁おもてなし課より 岩の合間に忍び込んでいるような浜には、嵐の名残をとどめて白く泡立つ荒波が打ち寄せていた。 グレーの雲が空に居残り、潮の細かな粒子を含んだ風がいつの間にかしっとり服を湿らせる。 県庁おもてなし課posted with ヨメ…

口に出さないが代わりに唇を尖る。

有川浩さんの県庁おもてなし課より そんな当たり前みたいに言われても、こればかりは掛水も不服だ。そんなのあっさり分かる人なんて滅多にいませんよ、と口に出さないが代わりに唇を尖る。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 …

下げようとした茶托が手元で踊ったことが返事になった。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「お前が名刺を受け取ったがは喬介の名前を出されたからか」 下げようとした茶托が手元で踊ったことが返事になった。言葉が何も出てこない。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブック…

眇(すがめ)になった。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 名刺を受け取った和政がそれをやや遠くに持って眇(すがめ)になった。もう老眼が始まっている。 眇(すがめ)とは? 片目や斜視などの目。 意識的にひとみを片寄せた目。横目。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 …

まるでネコ科の肉食獣のような。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 最初のお愛想など記憶から吹き飛んだ。こちらを射抜くきつい眼差し。まるでネコ科の肉食獣のような。 刺さるような敵愾心とともに、佐和の印象は強く残った。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年…

敵意を雄弁に語っている。

有川浩さんの県庁おもてなし課より ピシャリと音高く閉められた戸は、敵意を雄弁に語っている。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

抗議など噛み砕くような勢いで叫んだ。

有川浩さんの県庁おもてなし課より しかし、民宿の彼女は多紀の抗議など噛み砕くような勢いで叫んだ。 「今さら県庁がうちの父に何の用で!」 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

眦(まなじり)を吊り上げたのである。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 台詞の途中で民宿の彼女は愛想のいい笑顔をかなぐり捨てて眦(まなじり)を吊り上げたのである。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

苛立ちが渦巻いている。

有川浩さんの県庁おもてなし課より その意見が到底県民の前で口に出せるようなものではない、と。 なら何故言う。掛水の内心では苛立ちが渦巻いている。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7…

その息が語っている。曰く、

有川浩さんの県庁おもてなし課より 吉門は溜息を吐(つ)いた。その息が語っている。曰く、ーー処置なし。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

呟きの後半は飲み込む

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「それにしてもあの人らぁは……」 呟きの後半は飲み込む。ーーよく飲み会なんかする気分になるなぁ、こんなときに。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7ne…

後ろでくるりとお団子にした髪

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「あの、それ私のなんですけど……」 怪訝そうな声に振り向くと、ジーンズ姿の若い女の子が立っていた。後ろでくるりとお団子にした髪が爽やかな印象だ。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 …

気持ち悪いような渦を巻いたが、……

有川浩さんの県庁おもてなし課より 内心で焦りが気持ち悪いような渦を巻いたが、吉門は掛水を解放しようとしない。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto