小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

空飛ぶ広報室

多紀は余韻を聞くように一呼吸空けて、

有川浩さんの県庁おもてなし課より 「明神さん」 「何ですか?」 「俺ら、これからも宿題いっぱいあると思うけど、頑張ろうな」 多紀は余韻を聞くように一呼吸空けて、それから「はい」と力強く答えた。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書…

鼻の奥がツンとして

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 鼻の奥がツンとして、あっと思うともう涙がこぼれていた。

笑いの沸点が低くなっている

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 酒が入って笑いの沸点が低くなっている。

声が裏返った。その音階をどうにか逆にして

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 「では明日の午後にでもお邪魔できますか?」 はい、と答えた声が裏返った。その音階をどうにか逆に返して、空井は「お待ちしてます」と名残惜しく電話を終えた。

内心で舌を出した

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 人の失敗はよく覚えている。空井は内心で舌を出した

心臓が体に悪い跳ね方をした。

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 「空井」 声をかけたのは班長の小暮である。見ると小暮は電話の受話器を持っていた。 「帝都テレビさんから」 心臓が体に悪い跳ね方をした。

何度も何度も

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 何度も何度も携帯の電話帳でその名前を選び、発信できないまま何度も液晶のバックライトが落ちた。

勢いに抗議するように

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 空いたソファに腰を下ろすと、勢いに抗議するようにスプリングが軋んだ。

目の端に捉えただけだ

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 リカが何か言いながら席を立ったか覚えていない。翻るスカートの裾を目の端に捉えただけだ。

表情がひび割れた

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 言い放った瞬間、リカの表情がひび割れた。 これほど急速に人の顔から血の気が引くところを見たことはない。

唇の端っこで笑った

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 空井はへっと唇の端っこで笑った。

柳眉(りゅうび)を逆立てた

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 仮設した広報本部のテントで報告を聞いた柚木は柳眉(りゅうび)を逆立てた。

目が貼り付いたまま

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 完全に手が止まり、固まった。こんな文字列はこれ以上一秒たりとも見たくないのに、そこに目か貼りついたまま離れない。ページをめくることもできない。

頬が炙られるように

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 頬が炙られるように熱くなった。

丸く毛の抜けた地肌

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 俄に呼吸が浅くなった。 ーーまだ全然乗り越えられてなどいない自分に直面させられる。髪を洗う指先が丸く毛の抜けた地肌を捉えた感触がまるで昨日のことのように思いだされた。恐いと思ってしまった自分が忌々しくて…

冷えた胸が引き絞られる

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 「今までいろいろ口うるさくてすみませんでした」 今まで、という前置きにぎくりと胸が冷えた。 「今後は余計な差し出口は控えます」 冷えた胸が引き絞られる。まるで、 ーー突き放されたみたいな、 槙が一礼して自分…

一拍遅れて

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 次の機会を許されたことに一拍遅れて気がついた。 ーーまるで天に昇るような心地になった。

踵(かかと)を刻む

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 エレベーターが下る間、柚木はイライラと踵(かかと)を細かく刻んでいる。やはり何かあったのだ、とリカは固唾を飲んだ。

電気のスイッチが入ったように

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 電話を切ってから、窺っていた二人に親指を立てる。二人の表情が電気のスイッチでも入ったように明るくなった。

眦(まなじり)を釣り上げる

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 片山が訊くと空井はキッと眦(まなじり)を釣り上げた。「バカにしないでください」とこんなときばかりはパイロットの顔に戻る。

背中で弾く

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 「何ですかそれっ! 逆ギレすんならもう手伝いませんからね!」 噛みつく空井の声を背中で弾き、片山は部屋を出た。

声が尖った

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 「気をつけるって言ってるだろ!」 抑えられず声が尖った。いつまでも比嘉の助けがないと何もできないと言われているようで無性に腹が立った。

デスクを叩く

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 鷺坂(さぎさか)が指先でデスクを叩いた。中指一本で叩いた音だが、拳で机を殴ったより鋭く片山の耳朶(じだ)を打った。首が勝手にすくむ。

うなだれる

空飛ぶ広報室 有川浩より 首が外れて落ちそうなほど片山はうなだれた。

眉間に描き込んだような見事なシワ

空飛ぶ広報室 有川浩より 本当に怒っているときは眉間に描き込んだような見事なシワが二本立つ。やや後退気味の額は血色良くつるりとしているので、縦に刻まれる二本がやけに目立つ。 たった二本のシワだが片山を打ちのめすには充分だった。

脳細胞が沸騰した

空飛ぶ広報室 有川浩より ーー脳に言葉の意味が届くまで時間がかかった気がする。 届いた、と同時に脳細胞が沸騰した。 人殺しのための機械でしょう? ーー人殺しの機械に乗りたい人なんでしょう? ーー何で俺たちがこんなこと言われなきゃならない、人を殺…

リトマス試験紙のような顔色

有川浩さんの空飛ぶ広報室より 見る間に表情が沈み込む。ーーけっこうわかりやすい人かもしれないな、と空井はそのリトマス試験紙のような顔色の変化を見守った。

顎に梅干しを作りながら

有川浩さんの空飛ぶ広報室より ついに言い負かされたか、稲葉リカが顎に梅干しを作りながら「たいへん柔軟でいらっしゃるかと……」と口を濁しながら引き下がった。