小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

表情

硝子のように色を失い

そのときのイビサワの顔は見ものだった。脂肪の垂れ下がった頬がいっぺんに引きつり、期待に輝いていた両眼は、ぴたりと静止して硝子のように色を失い、へらへらと笑っていた唇は、そのままの形で硬直した。 向日葵の咲かない夏posted with ヨメレバ道尾秀介…

喜色を閃かせて

有川浩さんの県庁おもてなし課より 宇野と呼ばれたパイロットが喜色を閃かせて掛水に目線を上げる。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

眦(まなじり)を吊り上げたのである。

有川浩さんの県庁おもてなし課より 台詞の途中で民宿の彼女は愛想のいい笑顔をかなぐり捨てて眦(まなじり)を吊り上げたのである。 県庁おもてなし課posted with ヨメレバ有川浩 角川書店 2011年03月 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto

瞳には光がなかった。

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 優しそうな形をした目も、焦点が結ばず、瞳には光がなかった。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan

あの灯台の灯りさえもしぼんで消えてしまった。

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 明るかったはずの由佳の表情から、血の気が失せていくのが分かった。瞳の奥に優しく灯っていた、あの灯台の灯りさえもしぼんで消えてしまった。やがて焦点が曖昧になった由佳の両目から、ぽろりぽろりとしずくがこぼ…

「笑顔」のまま固まっていた頬の筋肉も、……

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 「あ、ええと」 「なに?」 「いや……。トレーニングの後のビールは最高なんだよな」 「それだけ?」 「うん」 「じゃあ」 「うん、ありがとね。おやすみ」 後ろ手にリビングのドアを閉める由佳の痩せた背中を見詰めた…

表情がひび割れた

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 言い放った瞬間、リカの表情がひび割れた。 これほど急速に人の顔から血の気が引くところを見たことはない。

柳眉(りゅうび)を逆立てた

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 仮設した広報本部のテントで報告を聞いた柚木は柳眉(りゅうび)を逆立てた。

電気のスイッチが入ったように

有川浩さんの空飛ぶ広報室の表現、描写 電話を切ってから、窺っていた二人に親指を立てる。二人の表情が電気のスイッチでも入ったように明るくなった。

表情 「笑い」「笑み」

クライマーズ・ハイ 横山秀夫 うすら笑いの張りついた粕谷の顔には、かつてない巨大航空機事故に直面したジャーナリストの緊張感はなかった。 十角館の殺人 綾辻行人 アガサは軽く不満の色を浮かべたが、やがて悪戯っぽく微笑んで 口許に不器用な笑みを浮か…