小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

肺を洗うような海風

森沢明夫さんの水曜日の手紙より さりげなく深呼吸した。肺を洗うような海風の清々しさに、どこか救われる思いがした。 水曜日の手紙posted with ヨメレバ森沢 明夫 KADOKAWA 2018年12月07日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan

草むらが楽しげに揺れ

森沢明夫さんの水曜日の手紙より 背後の磯からは、ざん、ざん、と岩に砕ける波の音が聞こえてくる。海風が吹くと足元の草むらが楽しげに揺れ、そして、相変わらず青空から鳶の歌が降ってくる。 水曜日の手紙posted with ヨメレバ森沢 明夫 KADOKAWA 2018年12…

緑風が、さらりと襟元を吹き抜けた。

森沢明夫さんの水曜日の手紙より 五月の緑風が、さらりと襟元を吹き抜けた。 無垢の木で作られた瀟洒(しょうしゃ)なカフェテラス席ーー。 豊かな香りのアールグレイが注がれた白いカップのなかで、木漏れ日がひらひらと揺れた。 水曜日の手紙posted with ヨ…

潮の細かな粒子を含んだ風

有川浩さんの県庁おもてなし課より 岩の合間に忍び込んでいるような浜には、嵐の名残をとどめて白く泡立つ荒波が打ち寄せていた。 グレーの雲が空に居残り、潮の細かな粒子を含んだ風がいつの間にかしっとり服を湿らせる。 県庁おもてなし課posted with ヨメ…

風の冷たさに旅愁を覚えた。

小杉健治さんの父からの手紙 首筋を走った風の冷たさに旅愁を覚えた。 父からの手紙posted with ヨメレバ小杉健治 光文社 2006年03月20日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan

残暑が峠を越し、ひんやりとした風が頬を通り過ぎた。

小杉健治さんの父からの手紙 二階の部屋に戻ると、机の上に父の手紙が出しっぱなしだった。手紙を片づけてから、窓辺に寄った。残暑が峠を越し、ひんやりとした風が頬を通り過ぎた。その風に乗って赤とんぼが一匹視界を過(よぎ)った。 父からの手紙posted wi…

黒いツインテールをどこか淋しげに揺らした。

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 風はカオリちゃんの黒いツインテールをどこか淋しげに揺らした。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan

土の匂いのする冬めいた風

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 少し土の匂いのする冬めいた風が吹いていた。街路樹の落ち葉がかさかさと音を立てて、二人の足元を転がりながらすり抜けていく。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 …

キンモクセイの香りが溶けていた。

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 今日の夜風には、かすかにキンモクセイの香りが溶けていた。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle7nethonto ebookjapan

秋の艶かしい風がふわりと流れてきて……

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 古ぼけたビルの外に出ると、秋の艶(なまめ)かしい風がふわりと流れてきて、権田の丸太のような襟元を撫でた。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 2015年08月05日 楽天ブックス楽天kob…

さらさらと心地よい葉擦れ音を奏でている。

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 秋晴れのもと、紺碧の海を見下ろす高台には清々しい風が吹いていた。頭上には背の高い松の枝が張り出していて、さらさらと心地よい葉擦れの音を奏でている。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明…

かさついた骨片と白い灰になった

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 工場の煙が海風に霧散し、消えゆく様をぼうっと眺めながら、四海は三年前の「あの日」を憶(おも)った。五歳になったばかりの娘、葉月が、かさついた骨片と白い灰になった「あの日」だ。 大事なことほど小声でささやく…

細長い煙突たちが林立していて、……

大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 細長い煙突たちが林立していて、セピアに濁った夜空に突き刺さっていた。煙突の先端からは煙が盛大に立ちのぼり、ほとんど真横に流されている。 大事なことほど小声でささやくposted with ヨメレバ森沢明夫 幻冬舎 20…

風景表現「風」「空気」

小説の表現、描写 「風」「空気」クライマーズ・ハイ 横山秀夫 喧騒は相変わらずだが、殺気だったところがない。昨日まで部屋中を包んでいた、ヒリヒリとするような乾いた空気が、微かだが湿りけを含んでいるようにも感じられる。クライマーズ・ハイ 横山秀…