小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

人物の表現「睨む」

友罪 薬丸岳

 美代子は唇を強く噛み締めながら益田が出ていったドアをじっと睨みつけていた。
 明日から益田の顔を見ないで済むと思うと、自分の取り巻いていた悪環境のひとつが取り除かれたようで清清する。

夏美のホタル 森沢明夫

「まさか、この家から、ただ飯をタカろうってんじゃねえだろうな。あぁ?」
最後の「あぁ?」のところで、男は真っ正面からこちらをギロリと見据えた。冷たい五寸釘のような視線に射貫かれて、ぼくの喉はきゅうっと締め付けられた。

夏美のホタル 森沢明夫

雲月は怪訝そうな目をして、ぼくのつま先から頭までを舐めるように見た。