小説家から学ぶ表現、描写

小説を書くための表現方法を小説家から学ぶ

高い天井に吸い込まれて消えた。

森沢明夫さんの水曜日の手紙より


 なるほど「孤食」とはよく言ったものだ。
 里穂を東京に出したら、毎晩、自分はこんな気分で食事をとることになるのかーー。
 私はスプーンを置いて、立ち上がった。
 そして、冷蔵庫から缶ビールを持ってきて、缶のままごくごくと喉を鳴らした。
「ぷはぁ」
 と出した声が、高い天井に吸い込まれて消えた。